みらいブログ

2018.12.21

少年法の適用年齢(「少年」年齢の18歳未満への)引き下げに反対します

定者 吉人

 日弁連はこれまでにも、2015年に意見書を公表し少年法の「少年」年齢引き下げ反対の取り組みをしてきましたが、このたび、その後の状況の進捗を踏まえ、改めて少年年齢引き下げに関して反対意見書をとりまとめ、2018年11月21日に公表しました。こちらです。
 意見書は、現状認識として、①少年犯罪は増加も凶悪化もしていない、②保護主義に基づき少年の更生支援をめざす現行の少年法制は有効に機能しており、少年法の「少年」年齢を引き下げるべきかどうかを検討している法制審議会の部会においても、現行少年法の下で18歳、19歳の年長少年に対して行われている手続きや保護処分が有効に機能していることについては意見が一致していると指摘したうえで、法律の適用年齢は法律ごとに個別具体的に検討すべきで民法の「成人」年齢が18歳に引き下げられたからといって少年法の適用年齢を引き下げる必要性は全く認められないと述べ、もし少年法の「少年」年齢を18歳未満に引き下げた場合、18歳・19歳の者が従来の保護処分による働き掛けや、その前提となる家庭裁判所における調査を受けられないことになり改善更生・再犯防止という観点から弊害が極めて大きいとして、「非行防止」を目的とする未成年飲酒禁止法や、「青少年保護」の観点から定められた競馬法の勝馬投票券購入制限年齢と同様、適用年齢20歳を維持すべきとしています。
 ぜひご一読いただければと思います。
 私は長年にわたって少年事件の付添人として多数の少年の裁判(審判)手続きに関与し、現在はNPO食べて語ろう会の事務局長として少年や青年の再犯・再非行防止活動に取り組んでいます。
 そのなかで、多くの少年が、家庭的に恵まれず成長の機会を失って、犯罪を行うに至るのを目の当たりにし、こうした少年に対して必要なのは罰ではなく立ち直りや人間として成長するための支援だと確信するようになりました。そのような観点からすれば、いま必要なのは、むしろ少年適用年齢の引き上げであり犯罪を行った少年が立ち直るための支援を手厚くすることではないかと思います。
 そもそも犯罪を行った少年・青年が立ち直るためには、本人の反省や自覚、意欲だけでは足りません。誰も、失敗したときはもう二度とこんなことはしないと心に念じるものです。しかしその思いは周囲の支えがあって初めて長続きします。犯罪を行った少年・青年の、立ち直りへの気持ちがくじけないよう見守り、口を開くときに批判せずに聴き、支援を求められればそれを提供する、さまざまな経験や能力、立場を持った大人が周囲にいればいることがなにより重要だと思います。
 近年再犯・再非行防止は国の重要課題と位置付けられ、再犯防止対策推進法が制定され、広島県はこのたび、地域再犯防止推進モデル事業の実施主体に名乗りを上げました。

 今後、広島県において、官民が、協力し役割を分担して、犯罪を行うに至った少年・青年が再犯・再非行に陥らないよう、また人間として成長するよう、必要かつ有効な支援を行うために、私なりの役割を果たしたいと思います。

 
 
 
 
 
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