「RBG最強の85歳」という映画が広島市内の映画館で上映されていました。RBGは、ルース・ベーダー・ギングスバーグというアメリカの連邦最高裁判所の現役裁判官の名前で、その裁判官の生い立ちやこれまでの経歴を題材にしたドキュメンタリー映画です。上映時間98分ですが、関心を引く展開に時を忘れてしまいます。長編ドキュメンタリー部門でアカデミー賞にノミネートされました。
RBGは、1993当時のクリントン大統領(民主党)から指名されて就任し、85歳の現在にいたるまで現役の裁判官です。いわゆるリベラル派の1人で、これまでに男女平等に関する事件やマイノリティーに関する事件において権利擁護の立場から判決に関与してきました。
アメリカの最高裁の裁判官は9人(日本は15人)で、大統領が指名し、その指名された候補者について連邦議会上院が承認することによって任命されることになります。承認に先立って上院の司法委員会で、候補者について公聴会が開かれて、裁判に臨む姿勢や考え方について、議員から様々な質問を受けます。この公聴会はテレビ中継されるくらいアメリカでは関心が高いとされています。承認されて裁判官に就任すると定年はなく、病気などで自分の意思で辞めない限り終身制です。
私が見に行ったときは、映画館は女性客が多く年配のご夫婦の方もおられました。上映終了後の一般男性の「ためになった映画」との感想が印象的でした。日本で、このような最高裁判所の裁判官を題材にした映画が製作された場合、一般の人がどの程度鑑賞してくれるでしょうか?
2019.07.23