平成28年1月11日(月)は、成人の日でした。国民の祝日に関する法律によれば、成人の日は、「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。」とされています。
「成人」、「おとな」という言葉が出てきましたが、民法では、「年齢二十歳をもって、成年とする。」とされています。未成年者は、判断能力が十分ではないことなどから、父母の親権に服し、婚姻や法律行為に同意を要するなどの制約を受ける反面、法律行為を取消し得るなど、未成年者が責任を問われないよう保護されています。自由を制限される反面、責任を問われないようになっているのです。
自由と責任は表裏の関係になっています。反対に言えば、責任を負う限りは、自由にしてよいのです。「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする」というのも、責任を自覚し、自分が正しいと思うように生きるということではないでしょうか。
昨年6月には、公職選挙法等の一部を改正する法律が成立し、公布されました。公職選挙法の改正により、年齢満18年以上満20年の者も選挙に参加することができるようになります。選挙権は個人の権利ですが、選挙により選ばれた代表者による政治の結果は、個人に大きな影響を及ぼします。つまり、18歳になれば選挙権を得るとともに、公職選挙法上は、いわば大人として、自らが代表者を選ぶことの責任を自覚することが必要になります。
このように選挙権は18歳以上を対象とすることになりますが、法律によって権利や義務を負う年齢は異なります(道路交通法や未成年者飲酒禁止法など)。これは、年齢による判断能力や、酒類や煙草の人体に与える影響など、様々な要素を考慮して、それぞれの法律の目的に応じて、年齢基準が定められていることによります。反対にいえば、個々の法律の目的に照らして、適正な年齢基準が定められなければならないといえます。
2016.01.29