みらいブログ

2016.09.09

居場所について

橋本 敬介

 少し前に、発達障害に関する講演を聞きました(発達障害とは、生まれつき脳の発達が通常と違っているため生じる障害で、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害、学習障害及びチック障害などが含まれます。)。
 その講演の中で、発達障害の人がパニックに陥る場合として、「自分がその場所に居て良いと思えなくなったとき」が挙げられていました。
 私たちは、日常、「自分が、今、ここに、居ても良い」と思っているからこそ、ここに、居られるわけです。
 自分がここに居て良いか分からなくなったり、ここに居てはいけないと思ったりしたら、パニックになってしまうでしょう。
 自分に置き換えてみても、知らない人がたくさんいるところに行くと、なんだか落ち着かない、居場所がないような気分になります。小学校や中学校の頃、教室に居場所がなくて、なんだか落ち着かない、逃げ出したい気持ちになったことを思い出しました。
 このことは、発達障害の人が、精神的に居場所がないと感じてパニックになる場合に限らず、社会において居場所がない全ての人に共通することだと思います。
 貧困で家がなくて、物質的に居場所がないこともあるでしょうし、家はあるけれど家庭内暴力があって、精神的に居場所がないこともあるでしょう。
 自分の居場所がなくて、自分がここに居てよいか分からなくなって、パニックになっている人は多いのではないかと思うのです。
 私は、自分の居場所は、自分で作るものだと思います。
 もっとも、その人が居場所を作りやすいように、周りの人が協力することが大事だと思いました。

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