みらいブログ

2015.09.30

「慈善」より「投資」

二國 則昭

 ある本の副題です。
 厚労省によれば、全国の生活保護受給人員は、本年6月の概数で216万人余とのことです。貧困対策を進めるべき理由を倫理や善意ではなく経済合理性に求めるのが、この本です。
 職業訓練支援プログラムを2年間実施する費用が約460万円、その結果20歳から65歳まで働くと、非正規雇用としても、その人が税金や社会保険料を納める合計は、2400万円から2700万円としています。この数字は、国立社会保障人口問題研究所の試算です。正規雇用であれば、さらに大きな金額となります。
 著者は、日経新聞の記者で、ルポジュタージュをまじえて、経済合理性の観点から貧困問題に取り組んだ『日本の貧困』(中川雅之著 日経BP社発行)は、考え方の多面性を明らかにした本だと思いました。
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