4月27日、広島弁護士会主催の子どもの日記念シンポジウム2014「非行少年に寄り添う」が行われました。
このシンポジウムは、私も所属している広島弁護士会子どもの権利委員会が1年間を掛けて準備し、毎年4月末に開催するイベントです。
今年でもう5回目となるこのシンポジウムの目玉は、なんといっても、舟入高校・沼田高校演劇部の高校生、OB・OG、顧問の先生方と弁護士による「劇団ピピオ」※が作り上げる演劇です。演劇部所属の現役高校生たちと弁護士が、共に一つの舞台を作り上げるというこの壮大な試みは、回数を重ねるたびにクオリティが高くなり、今では固定ファンも獲得しているようです。
私もこの劇に一昨年は大学生役、去年はなんと中学生役で出演させていただきました。今年は役者ではなく司会を担当したので、出演はしなかったのですが、今年の演劇・はばたけピピオパート5~明日への路~も、例年同様(それ以上?)に、素晴らしいものになりました。当日上演された演劇を見て、「出演したかった!」と思ってしまったくらいです。
シンポジウム第1部の劇も、第2部の対談も、家庭裁判所の少年審判を受ける少年に、国費で弁護士を付ける「国選付添人制度」の対象となる事件の範囲を拡大しようとする動き、少年に科される刑の上限の引き上げる「厳罰化」の動きなど、最近の少年法改正をめぐる目まぐるしい情勢に即した内容でしたが、270名以上の方にご覧いただけたとのことです。
このブログをご覧いただいている方の中にも見て下さった方がいらっしゃるのではないかと思いますが、シンポジウム、いかがでしたでしょうか。
今年も、私にとって非常に思い出深いイベントとなりました。
少年事件に限らず、子どもの問題に取り組むことは、体力・気力・時間などいずれの点からみてもとてもハードなのですが、子どもたちの小さな声に耳を傾け、彼らの成長を傍で支えるということがしたくて、この仕事に就いていると感じます。一年に1回のこのシンポジウムは、いつでも、私を原点に立ち戻らせてくれます。
来年のシンポジウムのテーマはまだまだ先にならないと決まらないのですが、取り組みたいテーマは沢山あります。どのようなものになるのか、もう、今から楽しみです。私も、来年は役者として出演するかもしれません。
まだ、「劇団ピピオ」の演劇をご覧になったことがない方、是非、来年は、会場へお越しください。
※「ピピオ」について
劇団ピピオの「ピピオ」は、広島弁護士会所属の弁護士が立上げ、運営に関わった、子どもシェルター「ピピオの家」から取ったものです。シェルターとは、虐待や暴力などの理由で家庭に居場所のない子どもたちの緊急避難場所をいいます。詳細については、ピピオの家のHPをご参照ください(http://www.pipio.or.jp/)。
シンポジウム第1回、第2回では、ピピオの家が主なテーマとして取りあげられました。それ以降、第5回まで、劇中に「ピピオの家」が登場しています。そのため弁護士と高校生たちによる「劇団」はいつしか「劇団ピピオ」と呼ばれるようになりました。