昨今のニュースでも大々的に取り上げられている通り、非嫡出子を嫡出子の相続分の2分の1とする民法900条4項ただし書について、違憲とする最高裁決定が9月4日に出されました。
決定の全文(PDF)が、最高裁のウェブサイトで公開されていますので、ご覧ください。
民法900条4項ただし書については、平成7年に最高裁で合憲とする決定が出ていましたが、今回の決定は国内外における社会情勢の変化等を踏まえ、判例変更を行ったものです。
平成7年決定については元々、法律婚の尊重という目的に対し、生まれてくる子は立場を選べない以上、子に格差を設けるという手段が合理的な差別と言えるのか、という批判が大きく、ようやく変更されたか、というのが多くの法律家の実感ではないかと思います。
なお、今回の決定は、既に解決した相続事件が蒸し返されることを防ぐために、今回の決定前に審判や分割協議等で確定した相続関係については、判決の効力が及ばないことを明言しており、違憲判決の範囲、効力の議論について一石投じるものでもあります。
今回の決定を受けて、今後の国会の動きや、現在、裁判所で争っている相続案件等への影響も注目されるところです。