去る8月24日、広島県立広島産業会館にて広島弁護士会主催シンポジウム『格差社会の克服~正規と非正規の垣根をこえて~』が開催されました。
今回のシンポジウムでは、非正規社員と正社員の格差問題をテーマに、広島電鉄における非正規社員の正社員化の取り組みをモデルケースとして取り上げ、交渉の最前線に立った労働組合委員長の佐古正明氏に基調講演をいただきました。
また、2部のパネルディスカッションでは、佐古氏に加えて広島電鉄社長の椋田昌夫氏と甲南大学名誉教授である熊沢誠先生をパネリストに迎え、労使双方のメリットや交渉の苦労、研究者の目から見た非正規雇用問題についてお話しいただきました。
いわゆる非正規社員を全て正社員化した広島電鉄のような例はあまりありません。その当事者である広島電鉄の労使双方のお話を聞くことができた今回のシンポジウムは大変有意義なものとなりました。椋田社長は、労使交渉では互いに腹を割って話し合うことが大事なのだと話されていましたが、利害が対立する場で腹を割って話し合うのはなかなか難しいのではないかと思います。広島電鉄はそれを実践したわけですが、その裏に多くの苦労があったのだろうと思います。
さて、このシンポジウムは、今年の10月3日、4日に広島県で開催される第56回人権擁護大会のプレシンポジウムとして企画されたものです。人権擁護大会は日本弁護士連合会の主催で毎年開催され、開催地に全国から多くの弁護士が集まります。初日の10月3日には、広島国際会議場で3つのシンポジウムが開催され、弁護士に限らず、どなたでもご参加いただけます。皆様もお気軽にご参加ください。
このほかにも広島弁護士会では、様々なテーマでシンポジウムを開催しています。当事務所HPでも開催日時等の情報を随時掲載していきますので、是非ご覧いただければと思います。