1 はじめに
10月8日(金)に、尾道市社会福祉協議会が主催する「
演題は「高齢者に関わる身近な法律問題」でしたが、 講演の一端を紹介したいと思います。
2 成年後見制度
成年後見制度は、2000年(平成12) 4月にスタートしました。
申立件数は年々増加し、制度発足当初は約9000件でしたが、 2020年(令和2年)では約3万7000件となっています。
多くの方が制度を利用されることから、多様なニーズがあり、 後見人・保佐人・補助人は、支援者として、 ご本人の意思が何かを十分に見極めて支援を行う「意思決定支援」 が重要になっています。
講演の中では、事例をとりあげながら、後見人が就任するまで、 後見人が就任してからの仕事の内容、 ご本人が亡くなられた後の活動などの紹介を行いました。
3 遺言
自筆証書遺言や公正証書遺言について解説するとともに、 2020年(令和2年)7月からスタートした「 自筆証書遺言保管制度」を話題にしました。
この保管制度により、 紛失や改ざんができなくなるメリットが得られること、 家庭裁判所で遺言開封を行う検認手続きが不要になり、 相続人通知制度に代わることをお話ししました。
4 特殊詐欺や消費者被害
公的機関を真似た組織名を騙ったり、 給付金や支援金といった公的制度を装った内容を信じ込ませて、 老後の大事なお金をATMで振り込ませたり、 郵送させたりする事例について、 弁護士経験を交えてお話ししました。
対策として、とにかく先払いをしないこと、即断しないこと、 実在するかどうか分からない組織名や制度については警察や消費生 活センターに相談すること、 騙されたと思っても恥ずかしがらずに早期に相談することをお伝え しました。
5 最後に
本講座は、昨年のコロナ禍で、1年繰り越しての実施でした。 幸い、当日は第5波が収束しつつある中で実施され、 多数の受講生に聴講してもらえました。
日頃、私が、業務の中で感じていることをお話ししましたが、 受講生の学びの一助になっていれば嬉しいです。
また、このブログを読まれている皆さまで、成年後見、遺言、