4月28日、 広島弁護士会主催のこどもの日記念シンポジウム2019が開催さ れました。このシンポジウムは、 私も所属している広島弁護士会子どもの権利委員会が毎年ゴールデ ンウィーク前半に開催するイベントです。
私は、企画、運営のほかに、 第1部の劇団ピピオによる演劇に出演しました。「劇団ピピオ」には、今年も舟入高校・沼田高校・基町高校・ 市立広島商業高校各校から演劇部の生徒さん、 卒業生の皆さんが参加してくれました。
こどもの日記念シンポジウムは今年で10周年でした。
同シンポジウムではこれまでに、虐待問題、少年非行問題、 行き場のない子ども達のためのシェルター、自立支援ホーム、 離婚問題などで子どもに寄り添う子どもの手続代理人、 デートDV問題など、 子どもたちに関わる色々な事柄をテーマとして取り上げてきました 。
10周年である今年は「あなたのフツウ、私のフツウ~ 発達障害について考える~」と題し、 発達障害をテーマとして取り上げました。
発達障害という言葉は広く知られるようになりました。しかし、発達障害といってもその特性はひとそれぞれであり、 必要なサポートなどは異なっています。
ともすると「発達障害」という言葉がひとり歩きする中で、 自身の特性について正確な理解が得られないまま、 学校などで生きづらさを抱えている子どもたちがいます。発達障害について、知る機会や考える機会をもつことが、 全ての子どもたちが生きやすい社会の第一歩になるのではないかと の思い、発達障害を今年のテーマとしました。
テーマへの関心の高さもあってか、 非常に多くの皆様にご来場いただきました。定員629名のホールに10以上の補助椅子を出しても席が足りず 、立ち見の方が出るくらいの盛況ぶりでした。
第1部の劇、第2部の意見交換会を通じて、 発達障害について知ることができた、 いろいろなことを考えるきっかけになったというご意見・ ご感想をたくさん寄せていただき、 有意義なシンポジウムになったのではないかと嬉しくなりました。
正しく伝えることができるのかなど、例年以上に、悩み、 議論を重ねた上で選定したテーマでした。蓋を開けてみると、「演劇」 を通して表現し伝えるということが想像以上に難しいテーマだった ようにも思います。
徹底した取材を行った脚本家の執念、 高校生の皆さんの役作りにかける情熱とそれを支える演出陣の努力 なしには、成立し得ないものだったなと感じています。来年以降の10年間に向けて、 勢いがつくシンポジウムとなったと感じております。
「劇団ピピオ」 は来年もきっと素晴らしい劇をご覧に入れますので、来年も、 是非、会場にお越し下さい。
写真は10周年企画の展示です。 第1回から第9回のシンポジウムの劇を特別に編集した動画の上映 、劇の写真・作成したTシャツなどとの展示を行いました。 シンポジウムのテーマソングである「ひなばとマーチ」 の歌詞も掲示しました。