最近、「GAFA」という言葉を、よく見聞きします。
グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルという、 世界的にも有名な4つのIT企業の頭文字をとって総称した単語で あることは、よく知られています。
この世界的なIT企業の特徴は、プラットフォームビジネス、 つまり個人の検索や通信販売、 SNSを使って得られた大量の個人情報を取得している点にありま す。
身近な例でいえば、 インターネット通販サイトを利用して商品を購入すると、 通販サイト運営会社は、 その利用した個人の情報を取得することが出来ます。 この情報を使って、様々な、 より便利なサービスを提供することが可能になります。すると、 通販サイトを利用する顧客数や利用回数が増加することになり、 通販サイト運営会社は、通販サイトに出店した会社から、 更に多くの手数料収入を得ることが出来る様になります。
この結果、通販サイト運営会社は、出店する会社に対して、 優位な地位に立つことになり不利益(過大なペナルティ、一方的な解約など)を強いることが可能になってしまう、 という危険性が潜んでいます。
このような状況から、平成31年2月27日、公正取引委員会は、 インターネット通販サイトのポイント還元を巡って、 出品者に対して不利な取引を強いていないか、 通販サイトの運営企業を一斉に調査すると発表しています。
通販サイトに出店した会社にとって、 例えばポイント還元分の負担を強いられたり、 料金設定の自由を奪われたり、過大な出店手数料の支払いを強いられたりすると、 事業が立ち行かなくなることは想像に難くありません。
このような場合に役立つ法律の一つが、独占禁止法です。 市場における公正で自由な競争の実現を目指すための法律であり、世界的には「競争法(Competition Law)」と呼ばれるのが一般的です。
かねてより、私は、 独占禁止法などの競争法分野に興味関心を持ち、 研究を重ねておりました。そして、この度、 神戸大学大学院法学研究科博士課程を修了し、博士(法学) の学位を授与されました。
この学位取得を機に、今後も、個人事業主や中小企業の皆様に、 より良い法的サービスを提供できる様に研鑽して参りたいと思いま す。