みらいブログ

2017.07.07

アマミノクロウサギ

二國 則昭

 先日仕事で、奄美大島の裁判所(鹿児島地方裁判所名瀬支部)に行って来ました。奄美大島は、鹿児島から飛行機で約1時間、沖縄との中間にあります。自然に恵まれており、今年3月に34番目の国立公園に指定されています。マングローブや原生林があり自然豊かなところです。
 奄美大島には、国の特別天然記念物であるアマミノクロウサギがおり、国内希少野生動植物種に指定され、近い将来絶滅の危険性が高い種とのことです。このウサギは、奄美群島(奄美大島や徳之島など)だけに住んでいる「固有種」であり、2004年の推定では、奄美大島の生息数は,2000から4800頭とされています。このように生息数が少なくなったのは、森林伐採によりすみかが減ったこと、マングース(ハブ退治のため輸入されたが、活躍せず)やノイヌ・ノネコによる殺傷の被害、交通事故とのことです。このうち、マングースについては駆逐する専門チームが結成され、完全に取り除く活動をしているそうです。夜行性なので本物を見ることはできません(ガイド付きの夜間ツアーでは見られる可能性)でしたが、環境省の奄美野生生物保護センターでは剥製を見ました。全長4、50センチ程度で毛は外側が茶色、内側は灰色ですが、一見すると黒褐色に見えますし、目も小さく耳も短く、家庭でペットとして飼われているアナウサギの種類とは違ったつくりです。確かに、私の家に住んでいるウサギの目が大きく、耳も長いという姿とはずいぶん違っていました(以上の記述は前記保護センター外制作の「アマミノクロウサギブック」を参考にしています)。ともあれ、多くの方々の努力が、実を結んでアマミノクロウサギが守られ絶滅しないことを願うばかりです。
 なお、アマミノクロウサギは、1995年には、島内におけるゴルフ場建設の許可取消の裁判において、原告となりました(結果は?)。

 

                  (剥製の写真です)

 

お問合せ 大竹支所尾道支所 広島本所