本年3月7日、広島市男女共同参画推進センター(愛称 ゆいぽーと)にて、広島弁護士会主催のシンポジウム「自死遺族の直面する問題を考える~弁護士やこころの専門家にできること~」が行われました。広島弁護士会として初めて自死遺族の問題をテーマとして取り上げ、私はパネルディスカッションのコーディネーターとして参加しました。
基調講演では、大阪弁護士会の生越(おごし)照幸弁護士に、自死遺族が直面する法律問題についてお話しいただきました。自死遺族には、相続、労災、賃貸借、生命保険などの様々な法律問題が生じますが、そのような個々の問題に対する対処法はもちろん、自死問題に対して法律家が取り組む際の視点などについてもお話しいただき、弁護士として非常に参考になるものでした。
パネルディスカッションでは、自死遺族でもある広島弁護士会の佃祐世弁護士から自死遺族の置かれる状況などについてお話しいただきました。また、こころの専門家である塩山二郎臨床心理士には、自死遺族との向き合い方についてお話しいただきました。さらに、自死遺族への相談支援という視点で、福岡県弁護士会の行っている自死遺族相談体制について、行政との連携をふまえて、世良洋子弁護士にお話しいただきました。
弁護士の仕事をしているうえで、自死と関わることはありますが、自死遺族への支援という視点がまだまだ不十分であったことを、このシンポジウムを通じて感じました。このシンポジウムで学んだことをふまえて、自死遺族の方々に対して、弁護士にできることは何かを考えて、実践していきたいと思います。