みらいブログ

2019.11.20

競争法と消費者

見之越 常治

 先日、箱根駅伝の強豪校としても知られる東洋大学の白山キャンパスへ行ってきました。
 日本経済法学会の大会が、東洋大学で開催されたためです。
 今年のテーマは、「競争法と消費者」。
 近年、景品表示法(景表法)を所管する官庁である消費者庁が、景表法違反を理由に事業者に対して排除措置命令などの行政処分を下すことが多くなっている様に感じられます。
 消費者庁による行政処分によって、不当な表示が行われなくなり、消費者全体の利益に資するという大きな効果がありますが、消費者庁が取り上げた案件に限られる意味では限定的といえます。
 そこで、学会では、消費者庁による立件任せの消費者保護のみならず、現行制度の利用促進や制度の創設 (例えば、適格消費者団体による差止請求の利用促進や景表法による自主返金制度の見直しの必要など) によって、さらなる消費者保護が出来ないかといった観点からの様々な報告がありました。
 それぞれの報告は、いずれも非常に示唆に富み、また大いに刺激を受け、有意義な時間を過ごすことが出来ました。
 学会への参加は、大学院生時代に指導を受け大変お世話になった教授や一緒に学び研究した仲間とも久しぶりに会うことができ、最近の独禁法に関する様々な話をする等、旧交を温められたことが何よりの収穫だったかもしれません。
 来年は、大阪大学で開催されます。
 ぜひまた来年も参加したいと思う充実した1日になりました。

 

 

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