みらいブログ

2019.04.01

GAFAと独占禁止法

見之越 常治

 最近、「GAFA」という言葉を、よく見聞きします。
 グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルという、世界的にも有名な4つのIT企業の頭文字をとって総称した単語であることは、よく知られています。
 この世界的なIT企業の特徴は、プラットフォームビジネス、つまり個人の検索や通信販売、SNSを使って得られた大量の個人情報を取得している点にあります。
 身近な例でいえば、インターネット通販サイトを利用して商品を購入すると、通販サイト運営会社は、その利用した個人の情報を取得することが出来ます。この情報を使って、様々な、より便利なサービスを提供することが可能になります。すると、通販サイトを利用する顧客数や利用回数が増加することになり、通販サイト運営会社は、通販サイトに出店した会社から、更に多くの手数料収入を得ることが出来る様になります。
 この結果、通販サイト運営会社は、出店する会社に対して、優位な地位に立つことになり不利益(過大なペナルティ、一方的な解約など)を強いることが可能になってしまう、という危険性が潜んでいます。
 このような状況から、平成31年2月27日、公正取引委員会は、インターネット通販サイトのポイント還元を巡って、出品者に対して不利な取引を強いていないか、通販サイトの運営企業を一斉に調査すると発表しています。
 通販サイトに出店した会社にとって、例えばポイント還元分の負担を強いられたり、料金設定の自由を奪われたり、過大な出店手数料の支払いを強いられたりすると、事業が立ち行かなくなることは想像に難くありません。
 このような場合に役立つ法律の一つが、独占禁止法です。市場における公正で自由な競争の実現を目指すための法律であり、世界的には「競争法(Competition Law)」と呼ばれるのが一般的です。
 かねてより、私は、独占禁止法などの競争法分野に興味関心を持ち、研究を重ねておりました。そして、この度、神戸大学大学院法学研究科博士課程を修了し、博士(法学)の学位を授与されました。
 この学位取得を機に、今後も、個人事業主や中小企業の皆様に、より良い法的サービスを提供できる様に研鑽して参りたいと思います。
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