みらいブログ

2016.12.14

奨学金問題

見之越 常治

 先日、崇徳中・高等学校の教職員向けの研修会に講師として招かれました。
 研修会のテーマは、奨学金でした。
 一般に、奨学金は、学校の先生からの勧めもあって、日本学生支援機構を利用する場合が多いですが、奨学金の利用を手放しに勧めるのが良いかどうか、という観点から講演いたしました。
 講演の中で、当初は無利子で始まった奨学金が現在では有利子が一般的となっていること、奨学金の返還免除が現在では極めて限定的であること、といった問題点を指摘しました。また、学生が奨学金を返還できないときに、保証人になった親族が多額の返済を肩代わりさせられたり、また、奨学金の返還ができず破産を選択せざるを得ない学生もいるといった事例も紹介いたしました。
 ただ、学費を捻出しようと、奨学金を利用せず、アルバイトを掛け持ちして学業がおろそかになるのでは本末転倒です。
 生徒や保護者自身も、奨学金を利用する場合に、どのくらいの経済的負担や将来リスクを負うのかを、きちんと理解して利用することが必要だと思います。
 政府は、返済不要の給付型奨学金制度の創設も検討している様です。
 学生が経済的な面で不安を抱えることなく、安心して学業に専念できる環境づくりが大切であると、改めて感じました。

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