みらいブログ

New2018.06.15

優生保護法について

森井 基嗣

 優生保護法という法律があり、その目的には、「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」ことが掲げられていました。そして、同法に基づいて、本人が「遺伝性精神病」「遺伝性精神薄弱」等であることや非遺伝性の「精神病又は精神薄弱」であることを理由として、都道府県優生保護審査会の審査を経れば、男女を問わず、本人の同意がなくても強制的に不妊手術をすることが許されていました(その他にも、中絶手術の問題などがありますが、ここでは割愛します。)。手術に当たっては、身体を拘束したり、だましたりしても許されていました。
 遠い過去の法律のように思われるかもしれませんが、優生保護法は、昭和23(1948)年に制定された法律で、平成8(1996)年に母体保護法に改正され、「不良な子孫の出生防止」に関する条項、遺伝性疾患・精神病を理由とした不妊手術を認める条項が削除されるまで残っていました。その間、統計によれば、本人の同意なく審査により1万6475件の不妊手術が行われました。つい二十数年前まで、このような人権侵害が行われていたわけです。
 子どもを産むか産まないかはその個人が決めるべきことで、その選択は自由にされるべきです。強制的にその自由を奪うのは、重大な人権侵害です。優生思想という不合理な理由に基づき差別をする内容でした。
 この問題については、平成29年2月に、日本弁護士連合会が優生保護法に基づく不妊手術が人権侵害である旨の意見書を出しました。そして、平成30年1月30日、1人の女性が、国に対して、国家賠償請求訴訟を仙台地方裁判所に提訴し、その後、提訴の動きは全国に波及しています。
 今後は、国による個別の被害者への謝罪や救済はもちろん、実態調査や根幹にある差別を取り除くための施策等が求められます。
 広島県内でも優生保護法に基づく不妊手術が行われていたわけで、被害に遭われた方がいらっしゃると思います。相談をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。
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