みらいブログ

2016.08.02

父と母

二國 則昭

 71年前の8月、先の大戦において、米軍は広島と長崎に原子爆弾を落とし、数多くの人が亡くなり傷ついたばかりではなく、後遺症に苦しんでいます。
 その長崎の原爆により亡くなった当時医学生の息子の幽霊(亡霊)との交流を通じて、戦争そして原爆の恐ろしさ、悲惨さが描かれた映画が、やや旧聞になりますが、「母と暮らせば」です。
 題名で「父と暮らせば」を思い浮かべられる方もおられるでしょう。「父」の方は、広島への原爆投下により亡くなった父と生き残った娘との交流の物語で、井上ひさしの原作です。「母」はその対になる作品とのことで、「男はつらいよシリーズ」を始めとして誰もが知っている山田洋次監督が脚本を書きメガホンを取っています。母親に吉永小百合、息子に嵐の二宮和也、その恋人役に黒木華が、それぞれ好演しています。
 息子が戦争について、運命的な言い方をすることに対して、母親は、いましめるようにそれを否定し人間が起こしたということを伝え、恋人には、息子のことにとらわれずに新しい人と結婚することを勧めます。ここに母親の強さと優しさを感じました。
 後半は、映画館では周りの人からのすすり泣きが、聞こえました。非戦と核廃絶の思いを新たにしました。

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